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江戸前大蒲焼
朝桜楼(歌川)国芳画  『魚づくし』組本社刊
今年の土用の丑の日は7月22日で、7月も中旬に入ると新聞やテレビも鰻の話題が多くなります。鰻の稚魚のシラスウナギが減少して、絶滅危惧種への指定が検討されている、世界の鰻の7割は日本で消費されているなどです。値段もうなぎのぼりですので、江戸前の代表が鰻だった時代の「江戸前大蒲焼大安売」の絵を見て楽しむことにしました。
今迄にもNO.1223256で鰻の蒲焼をとり上げているので、本稿では鰻の生態についてまとめました。
鰻の生態については、末広恭雄著『魚の博物事典』(1989年刊)に次のようにあります。「日本のウナギの産卵場はおそらくフィリッピン東北方の深海だろうというだけで、まだはっきりわかっていない。しかしとにかくそこで生み出された卵は受精され、ウナギとは似ても似つかない柳の葉のような形をした半透明のレプトケパルスという稚魚になる。この稚魚は恐らく黒潮に乗って日本近海に近づき、5〜7センチくらいまでになる。そして次第に変態して楊枝くらいの太さのシラスウナギになり、早春に群をなして川をさかのぼる。(中略)シラスウナギは最初はプランクトンを食べ、成魚は小魚・エビ・カニ・昆虫などを食べ太っていく。(中略)ウナギは皮膚呼吸ができるので滝のそばの湿った岩の上を這い登ることができ、これをウナギ登りという。ウナギは成熟するまで7、8年を淡水で過す。」
日本のウナギの記述は以上で終わっており、次は研究の進んでいる欧州のウナギの話からの要約ですが「淡水で成熟したウナギは、生まれ故郷の深海までたどりつくとそこで産卵し、産卵を終えると同時に、その屍を深海の底によこたえる。産卵のために遠い海まで泳ぐ親ウナギ、また生まれた子ウナギが親のたどった道を逆行して陸地に戻るところなど、神秘というほかはない」とあります。
 監修・著 松下幸子千葉大学名誉教授
>>松下教授プロフィール
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